【千葉県立農業大学校】ついに卒業式!学校のメリット・デメリットについてまとめました

昨年4月に入学した農業大学校ですが1年間が過ぎ、ついに卒業式を迎えることになりました。ちょうど学校の桜が満開になっており、卒業する私たちを祝福してくれているかのようでした。

あっという間の1年間でしたが、たくさんの方に出会い様々なことを学ばせていただきました。先生や同じ研修科の同級生、研修先の農家の方々との出会いは、これから就農してからも消えることのないかけがえの無いものです。

この1年間お世話になった方々へこの場を借りて改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

これから農業大学校で得た知識・技術・人脈をもって4月からの就農に臨んでいきたいと思います。

さて、ここで農業大学校を1年間通ってみて感じたメリット・デメリットをまとめてみたいと思います。農業大学校への入学に興味がある方の参考になれば幸いです。

(千葉県立農業大学校の新規就農者向け研修の紹介記事はこちら

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メリットについて

まず、メリットについてです。私が農業大学校で研修するメリットとして感じられたのは以下の3点です。

① 農業の基礎技術・知識を身に付けられた
② 農業関係の人脈ができた
③ 自分がやりたい作目を決めることができた

① 農業の基礎技術・知識を身に付けられた

実習と座学を通じて化学的に見た植物の生理や土壌の性質を学ぶことができました。野菜が育つ原理を学ぶことにより、失敗したときの原因究明がやりやすくなったと感じます。いきなり実戦から入るとこのような基礎を勉強する機会はなかったと思うので、とてもよかったと思います。

② 農業関係の人脈ができた

農業大学校に行って得たものでこれが一番大きいと思います。先生や同級生はもちろんのこと、県・市などの行政機関の農業関係者と顔見知りになり公的な手続きをスムーズに行うことができるようになりました。

また、農家実習では、研修先の農家だけではなく、他の農家や販売取引先、農機販売店、銀行、ロゴデザイナー等、本当に様々な方との出会いがありました。この研修で出会った方々とは、就農後もお付き合いさせていただくことになりますので、とても心強いと思っています。

③ 自分がやりたい作目を決めることができた

農業大学校のカリキュラムは良くも悪くも広く浅く色々な作物の勉強をします。このため、自分で作りたい作物が決まっておらず、これから学校で探したいという人にとっては色々な作物を見ることができるので、やりたいことを見つけやすいと思います。

私は元々ネギをやりたいと思って入学していたのでやりたい作物は決まっていましたが、他の作物を色々と見てやっぱりネギがいいと改めて確信できたので、他の作物も見ることができてよかったと思っています。

デメリットについて

次にデメリットについてですが、以下の3つが感じられました。

① ひとつの作物に勉強を集中しづらい
② 1年間という期間は意外に長い
③ 学校で研修しているだけでは農地は借りられない

① ひとつの作物に勉強を集中しづらい

メリットでも触れましたが、農業大学校のカリキュラムは良くも悪くも広く浅くなので、色々な野菜の学習を行います。トマトの実習の日もあれば花の実習の日もあります。花に興味が無い人にとっては花の実習は無駄に感じてしまうこともあります。

このようなことがあるため、やりたい作物が決まっているのであれば、その作物のプロである農家で研修させてもらって栽培技術を生産現場で学んだ方が近道だと思います。

私の個人的な見解ですが、やりたい作物が決まっているのであれば、農業大学校の3ヶ月コースを受講して基礎を学び、それ以降はその作物を栽培しているプロ農家に弟子入りするという流れがよいと思います。

ただし、補助金など制度上の問題もあるので一概にこれがベストとは言えないと思います。個々の事情によって最良の研修計画は異なると思いますので、よく考えて決めた方が良いでしょう。

※ 2019年度より農業大学校などの公的機関ではない法人や個人農家での研修は原則受給対象から外れることになりましたこれにより農業次世代人材投資事業(準備型)を受給するには原則、農業大学校での研修が必要となります。

もし、研修についてかお悩みの方がいましたら、私でよければ相談に乗りますのでこちらからメッセージをいただければ回答させていただきます。まずはできることから始めることが大切だと思いますので、お気軽にどうぞ!

② 1年間という期間は意外に長い

これは私の実体験なのですが、研修後半はモチベーションが少し減退してしまいました。

入学当初は勤めていた会社をやめて気持ちも高ぶっていたのでモチベーションは非常に高かったのですが、12月に風邪が長引いて体調不良になったのをきっかけにそれ以降モチベーションが下がってしまいました。

1年間は長いようで短い期間ですが、常にモチベーションを維持し続けるのは難しい期間だと思います。

どのようにモチベーションを保っていくかという点についても研修計画を立てるうえで考慮した方が良いでしょう。毎月これをやるといったような目標を明確に持つことが重要だと思います。

③ 学校で研修しているだけでは農地は借りられない

新規就農では農地の確保が課題となりますが、学校で研修をすれば農地を借りられるか?と言われればそうではありません。

学校では農地の斡旋はほとんどしてくれませんので、基本的には自分で農地を探すことになります。

農家は知らない人には土地を貸さないケースが多いので、まずは農家もしくはその知り合い(コミュニティ)の信頼を得ることが必要になります。そのためには、農家実習や法人就農などを通じて農家のコミュニティに入り込んでいく必要があります。

つまり、学校のカリキュラム以上のことをしなければ農地を確保することができないのです。このため、農業大学校になんとなく通っていれば農地は確保できるというのは大きな間違いです。

ただし、農業大学校のカリキュラムのひとつである農家実習を利用すればチャンスがあります。この農家実習中に礼儀正しく一生懸命に研修(農家の手伝い)をすれば、農家から農地を斡旋してもらえる可能性がグンと上がります。農業大学校での研修はここがキモとなりますので、農家実習は全力で取り組む必要があると思います。

まとめ

ここまで色々と書きましたが、私は学校へ1年間通って良かったと思っています。同じ就農を目指す仲間や農業に関する人脈ができましたから。逆にこれがなかったらあまり行った意味は無かったでしょう。

農業というのは想像以上に人と人との繋がりで成り立っているように感じます。

人と話さなくていいから農業をしたいというような考え方では成功するのは難しいと思います。逆に人と話すのが好きだから農業をしたいという方が上手くいくのではないでしょうか。

ニートで農業を始めて成功している人も今では人と話さないといけないなと言っていました。

人と人を繋げるのはコミュニケーションです。農業者は人は様々な人と積極的にコミュニケーションを取る必要があると強く感じさせられた1年間でした。

コメント

  1. じゅんちゃんファーム より:

    1年間お疲れ様でした。
    ここからがスタートですね。
    ぜひ遊びに伺います。
    軌道にのれるよう祈っています。

    • 後藤 貴一 より:

      ありがとうございます!落ち着いたら遊びにきてください!
      夏に初回の収穫があるので、それくらいの時期がいいかもしれませんね。