昨年11月に研修をさせていただいた大規模ネギ生産法人・関田農園様でネギの定植作業を体験させていただきました。
以前の研修では時期が合わず定植作業ができなかったため、今回この時期に定植作業に参加させていただきました。様々な作業を独自の手法で効率化している関田さんの定植作業をどうしても一度体験してみたかったので、関田さんにお願いしたところ快諾していただけました。
朝、関田農園様の作業場にお伺いすると早速、大量のネギの苗が置いてありました。
すごい量ですね。こんなに大量の苗は初めて見ました。この日の定植は写真に写っているネギのラック2つ分です。つまり写真の量の2倍ということです。今日だけで1ヘクタール分以上の苗を定植すると聞いて、本当に1日でこんなにたくさんの苗を定植できるのかと疑問に思いましたが、従業員の方が次々と集まってきて、気付けば約20人の作業者が集まってきました。この人数であれば大量のネギ苗も捌けそうです。
数台の車で圃場まで移動します。
到着した圃場はまとまったとても広い圃場で2ヘクタールくらいあるように見えます。これだけ広ければ作業効率も良さそうです。
また、東武動物公園のすぐ近くにあるため、ジェットコースターに乗っている人たちの悲鳴の声が良く聞こえてきました。おそらくジェットコースター側からもこちらの姿は丸見えでしょう。あちら側の人たちは、ネギを定植している我々の姿を見てどのように思っているのでしょうか。私だったら絶叫系は苦手なので見ている余裕は無いと思いますが(笑)。
さて、定植作業開始です。今回は4台のひっぱりくんを使用して定植していきます。私もひっぱりくんは今まで何度も使用したことがあるのですが、やはり関田さんの定植は私が体験したことのない独特なものでした。
まず、基本的にひっぱりくんを2人1組で使用し、ひっぱりくんを引く係と苗をセットする係に分けて作業をしています。一方で苗を運ぶ係の人が事前に苗を丁度良い位置に配置しており、2人1組が常にひっぱりくんのそばで集中して定植作業できるようになっていました。更に手直し係の人がいるので、上手く植えられていなくても、ひっぱりくんの2人1組はどんどん引っ張って先に進んでいくという形でした。かなりのスピードで定植が進んでいきます。
また、ひっぱりくんの各係は数列定植したら係を交代することにより、疲労を軽減していました。ずっと1人で引っ張っているととても疲れる定植方法なので、2人で交代して引っ張れば長時間の作業にも耐えられるそうです。実際にやってみても疲労がかなり軽減されていると感じました(私はいつも1人でひっぱっているのでより実感しました)。
それと他にも独特な点として、改造した田植機に苗を乗せて運んでいました。
ひっぱりくんでの定植で苗を運ぶ作業って結構手間がかかるし疲れるんですよね。ですが、このやり方ですとラクに早く大量に運べます。この発想はとても面白いですね!私が今まで研修で行った農家は全て苗は手で運んでいたので目から鱗でした。
他にもひっぱりくんの土が触れる部分に超高分子量ポリエチレンという素材を張り付けて滑りを良くして、引っ張りやすくする等、細部にも工夫されていて、改めて関田さんの発想力に驚かされました。
通常、ひっぱりくんでの定植作業は大変な作業ですが、関田さんの定植作業は大して辛くありませんでした。あれだけたくさんあったネギ苗もあっという間に無くなり、気づけばあっさり1ヘクタール以上を植えてしまいました。
一言で定植といってもやり方次第でこんなに違うものかと驚かされた1日でした。今回の体験でひっぱりくん定植の世界が変わりました。私と関田さんでは規模がまるっきり違いますが、今回の体験で得た経験を自分の営農に生かしていきたいと思います。
研修をさせてほしいと一方的にお願いした私を受け入れてくださった関田さんには本当に感謝しています。この場を借りて改めて御礼申し上げます。ネギ生産で壁にぶち当たった時には、また関田さんのところで修行させてもらいたいと思いますので、よろしくお願いします!
↓関田農園様での過去の研修は以下の記事で紹介しています↓
埼玉県白岡市の大規模ネギ生産法人・関田農園様を見学させていただきました