今日は農業大学校の授業の一環として、東京都大田区にある大田市場の見学がありました。朝6時半集合ということで3時半に起床して行ってきました。眠かったですが道路が空いていてよかったです。
(大田市場正門)
大田市場は、青果および花卉の取り扱いが日本一となっている日本最大級の市場です。市場出荷をしている農家にとっては最もお世話になるであろう有名な市場です。
私も初年度はネギの市場出荷をメインに考えているので、市場の中身を知る良い機会です。
さて、大田市場の青果部門には3社の卸売業者が入っていますが、今回の見学は最大手である東京青果(東一)のブースを見学させていただきました。
(市場内の様子)
すごい荷物の数ですね。このたくさんある荷の中でも薄緑色の箱の荷物は千葉県産のものがほとんどだそうです。千葉県では県の出荷量を多く見せるために、千葉県産の青果の箱の色を薄緑色に統一することに取り組んでいるそうです。
(千葉県産大根の薄緑色の箱)
上から見た写真でもちらほら薄緑色の箱がありますね。この取り組みは一定の効果があるようで、最近ではライバルである茨城県も箱の色を統一する方針でいるそうです。良い策はすぐにパクられますね。
次に競りの見学です。この大田市場の東京青果で行われる競りは、他の青果の建値(基準価格)を決める重要なものだそうです。他の市場での青果価格は、この競りで決められた基準価格をベースにしていることが多いそうです。
(東京青果の競り場)
(競りの様子)
ちなみにこの東京青果の競り場は、マンモス市場と呼ばれているそうです。理由はこの競り場に買参人が溢れかえるほどの人が集まっていたからだそうです。ただ、最近は相対取引(競りにかけない取引)の増加により競り取引が減少しているため、昔ほどの賑わいはないそうです。
相対取引の方が生産者としてはメリットが大きいため、買い叩かれやすい競りは減少傾向にあるようです。ただし、相対取引をするためには産地のブランド力や信頼が必要となります。産地は信頼を作るために必死なのはこういった理由もあるのですね。
ただ、自然災害等の影響で品薄になっている時は競りの方が高値が付くこともあるそうです。安定を取るか博打をするかといったところでしょうか。
最後に花卉市場の競りを見学しました。
花卉の競りは数量が青果に比べて少ないこともあり、インターネットを使って市場外からも競りに参加することができるそうです。
(花卉の競り場の様子)
買参人がモニターを見ながら価格や品質をチェックしています。花卉の競りは減額方式で行われているそうで、最初に競り人が最高価格を決め、そこから少しずつ減額していく方式だそうです。
このような方法だと値段が安くなってしまうのではないかと思いましたが、しっかりした品はちゃんと売れるため、極端に安くなってしまうことはほとんど無いそうです。この減額方式が採用された理由ですが、これは競りの時間短縮のためだとのことです。よくできていますね。
見学は以上で終了しましたが、今回の見学で最も感じたことは千葉県の立地優位性です。
特に印象に残った話は市場への青果の到着時間です。遠方の産地では競りの前々日に収穫した青果が競りの前日の昼くらいに到着するそうです。ところが千葉県は競りの前日の朝に収穫した青果をその日の夜7時~11時くらいに納品できます。
青果の鮮度も高く、運賃も安い。良いことずくめですね。
最近では冷蔵技術の発達により遠方から時間をかけて持ってくることも可能ですが、運賃が上昇傾向にありますので、なかなか大変だと思います。しかし、千葉県ではそういったことをあまり気にしなくても良いのは大きなメリットですね。
これから就農するにあたっては、この立地優位性を上手く活用していきたいですね。今日はとても良い見学でした。