新規就農者への補助金制度『農業次世代人材投資事業』について

新規就農者を支援するための国の補助金制度があります。それが農業次世代人材投資事業です。

これは国が新規就農を後押しするための制度で、新規就農者にとって非常に有用な補助金となります。新規就農を検討している人は必ずチェックしておきましょう。

本記事では、この農業次世代人材投資事業について説明していきます。

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農業次世代人材投資事業ってなに?

次世代を担う農業者となることを目指す新規就農者に対して交付される国の補助金制度です。

この補助金は2種類あり、就農前に研修を行うと交付される準備型と、就農後に交付される経営開始型の2つに分類されます。

要件を満たせば、年間最大150万円を最長7年間、受給することができます。

農業次世代人材投資事業(準備型)について

準備型の制度概要

準備型は、新規就農者の就農前研修中の資金補助を行う制度です。

一定の要件を満たした研修を1年以上行うと年間150万円を受給することができます。補助金の対象となる研修期間は最長2年間です。

準備型の対象となる研修制度は、千葉県立大学校で行われている研修などがあります。研修制度については、別の記事『千葉県での新規就農の方法①『農業技術の習得』』で詳しく紹介していますので、そちらをご覧ください。

※ 2019年度より農業大学校などの公的機関ではない法人や個人農家での研修は原則受給対象から外れることになりました。これにより農業次世代人材投資事業(準備型)を受給するには原則、農業大学校での研修が必要となります。

なお、複数の異なる研修制度と組み合わせて1年以上研修した場合でも、補助金の受給対象となります。

また、補助金の受給期間は半年単位となりますので、1年6ヶ月間研修をした場合は225万円(1年目150万円+2年目75万円)の補助金を受給することができます。

準備型の受給要件

おおまかな受給要件は以下のとおりです。親元就農の場合は追加要件があるので注意が必要です。

共通の要件

・就農予定時の年齢が原則45歳未満 ※2019年度から原則50歳未満に拡大されました
・独立・自営就農または雇用就農または親元就農を目指すこと
・基準を満たした研修を受けること
・常勤の雇用契約を締結していないこと
・生活費を支給する国の補助金などの交付を受けていないこと(生活保護など)

親元就農の場合の追加要件

就農後、5年以内に親から経営継承するか、法人の共同経営者になることが求められます。

ここでいう経営継承とは、自分名義で農産物を出荷することや、農地の所有権をすべて親から後継者へ移転することなどが必要となります。

※2019年度から後継者に農地の利用権を設定することで所有権移転が不要になりました。

農地の移転には、相続関係者の同意や贈与税・相続税の制約もあるため、慎重に考えなければなりません。また、地価が高い地域では補助金以上の税金が発生することも考えられるので注意が必要です。

農業次世代人材投資事業(経営開始型)について

経営開始型の制度概要

経営開始型は、新規就農者の農業経営が軌道に乗るまでの資金補助を行う制度です。

就農開始から5年間、前年の所得が350万円を超えるまで年間最大150万円を受給することができます。

この制度は、前年の所得に応じて支給金額が変動します。前年の所得が100万円未満の場合は交付金額が150万円となりますが、前年の所得が100万円以上になると前年の所得に応じてに支給金額が減額されます。前年の所得が350万円以上になると補助金の支給が打ち切りとなります。

経営開始型の受給要件

おおまかな要件は以下のとおりです。準備型と同じく親元就農の場合は追加要件があります。

共通の要件

・就農予定時の年齢が原則45歳未満 ※2019年度から原則50歳未満に拡大されました
・独立・自営就農であること(※要件を満たせば親元就農でも可能)
・就農から5年後には農業で生計が成り立つ実現可能な計画を立てること
・生活費を支給する国の補助金などの交付を受けていないこと(生活保護など)

親元就農の場合の追加要件

準備型の要件と同じく親から後継者に経営継承することに加え、新規参入者と同等の経営リスク(新たな作目の導入、経営の多角化等)を負うと市町村長に認められることが必要となります。

農業次世代人材投資事業の詳細情報について

『農業次世代人材投資事業』の詳細な制度概要・受給要件については、農林水産省、千葉県のホームページで詳しく説明されています。実際に補助金の受給を検討する人は必ず以下のサイトを確認してください。

農林水産省 農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)(外部サイト)

千葉県 農業次世代人材投資事業について(旧青年就農給付金)(外部サイト)

農業次世代人材投資事業の申請・相談窓口

準備型は国の補助金ですが、申請窓口は就農先の都道府県となります。

一方、経営開始型申請窓口は就農先の市町村となります。

また、補助金に関する相談をしたい場合は『千葉県・農林水産部担い手支援課就農支援班』が補助金の相談窓口となります。

補助金を含めた就農相談が電話でできますので、千葉県で就農を考えている方は相談してみるとよいでしょう。

千葉県 農林水産部担い手支援課(外部サイト)