千葉県柏市をご存知でしょうか?千葉県北西部に位置する人口約40万人の商業都市ですが、利根川と手賀沼の恵みを受けた農業が盛んな地域でもあります。
本記事では、柏市が独自に実施している就農支援制度である農家里親制度について紹介してきます。
農家里親制度ってなに?
柏市独自の就農支援制度で、柏市で新規就農を希望する人に市内のプロ農家を紹介して、農業のイロハを学んでもらうというものです。
紹介先の農家と師弟関係となり、栽培技術や販売方法について直接指導を受けることができます。(先輩農家に就農のお世話をしてもらうというイメージですね)
期間の目安は1~2年程度で相談に応じてもらえるそうです。
利用のメリット
この制度の最大のメリットは、農地の斡旋をしてもらえることです。
非農家出身の新規就農者の最大の壁は、農地を用意することです。
近年、農地取得・賃借を促進する法整備が進んでいますが、いくら農地が余っていても農家は知らない人に農地を貸したりはしません。
ですが、この農家里親制度を利用すれば、師匠となる農家が近隣の農家に口利きしてくれるので、余っている農地を借りやすくなります。
研修を受け入れるような農家は、地域のリーダーやまとめ役であることが多いので、農家の信頼を得ることができればスムーズに農地を用意できるでしょう。
また、就農時に柏市からの補助金として、トラクタ等の設備投資に対して最大で60万円の資金援助を受けることができます。
農地の斡旋や資金援助は、新規就農者にとって非常に大きなメリットになりますし、その他のサポートも充実しているので、千葉県内でも柏市は新規就農に対する支援が手厚い自治体のひとつであると思います。
制度の利用条件について
この農家里親制度を利用するには条件があります。
千葉県立農業大学校で開講している農業者養成研修を半年以上受講することが条件となっています。
農業者養成研修は、千葉県立農業大学校で3ヶ月~1年間の研修を通じて農業技術・知識の基礎を学ぶ新規就農者向けの研修です。
就農前に農業技術・知識の基礎を学ぶことは必要なことですので、農家里親制度の利用に関わらず、最初は農業大学校で研修することをおすすめします。
千葉県立農業大学校の研修制度については、別の記事『千葉県立農業大学校の新規就農者向け研修について』で紹介していますので、そちらをご覧ください。
研修中の補助金制度について
農業大学校の農業者養成研修と柏市の農家里親制度を組み合わせて合計1年以上の期間研修を行うと、国の補助金(農業次世代人材投資事業(準備型))の対象となります。
この補助金制度は、新規就農者の就農前研修中の生活資金援助を行う制度です。要件を満たした研修を1年以上行うと年間150万円を受給することができます。補助金の対象となる研修期間は最長2年間です。
農業次世代人材投資事業(準備型)については、別の記事『新規就農者への補助金制度『農業次世代人材投資事業』について』で詳しく紹介していますので、そちらをご覧ください。
相談窓口について
農家里親制度に関する相談は柏市農政課、農地に関する相談は柏市農業委員会が窓口となりますので、興味がある方は問い合わせをしてみるとよいでしょう。
柏市ってどんなところ?
最後に柏市についてお話したいと思います。
まず、柏市の農業事情についてですが、千葉県内で5位の野菜産出額を誇り、肥沃な田畑を有しています。特にカブの生産量は全国1位となっており、ホウレンソウや長ネギの生産も盛んです。
一方、商業地としても盛んで、JR常磐線、つくばエクスプレス、東武アーバンパークラインの3路線が市内を走り、東京のベッドタウンとして今も人口が増え続けています。
交通についても常磐自動車道が市内を通り、国道6号線と国道16号線が交差する交通の要衝です。
都心へのアクセスも良く、近くに大量消費地があることから近郊農業の強みを生かすことで収益性の高い儲かる農業を実現できると思います。
市の就農支援が手厚く、地理的にも恵まれているので、千葉県内で就農を考えている方は、柏市を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?
コメント
かぶは、柏でよく栽培されてるんですねぇ^ ^
[…] 制度の詳しい内容は、別の記事『柏市独自の就農支援制度『農家里親制度』について』で紹介していますので、こちらを参照してください。 […]