【千葉県立農業大学校】ネギの定植機械について簡単にまとめてみました

今日は新年最初のネギ定植です。定植はもちろんネギ定植の定番である「ひっぱりくん」を使用します。


(ネギ定植機・ひっぱりくん)

実はネギ農家の研修の中でもこのひっぱりくんを使用した定植作業が一番大変なんですよね。

収穫や調製作業は割と機械化されていて肉体的な負担は少ないのですが、このひっぱりくんは人力で動かす機械なので腰と膝にかなり負担がかかります。他にもネギ苗を運ぶ作業も必要になるので地味に疲れます。特に夏場の定植作業は暑さもあって地獄の作業となります。

ひっぱりくんはこの名前の通り、この機械を人力で引っ張って定植していきます。


(ひっぱりくん定植作業の様子)

中腰の姿勢で後退していくという、おそらく人間の進化の過程でも想定されていなかった動きをすることになりますので、腰や膝を始めとした全身に負担がかかります。今日は1反の定植だったのですが、1反だけでも作業を行えばヘトヘトです。

ちなみに関田農園の関田さんは1日で3反定植したことがあると言っていました。その話を聞いた時に思わず「すごいですね!」と言ってしまいましたが、流石に1日で3反も定植すると膝がおかしくなると言っていました(笑)。

この記事を書いている今でも腰・膝はもちろんのこと連動して首まで痛くなってきました・・・。辛い作業ではあるのですが、少し情けないですね。これから就農したらこんなことはザラになると思うので身体をしっかり鍛えておかないといけないですね。

ちなみにネギの定植方法は自動化もされており様々な方法があります。ただし、どの方法も一長一短なので自動化をすれば良いというものではないようです。

私の研修先農家の方々が使用しているネギの定植機械は以下の3パターンがあります。

① ひっぱりくん
② 自走式セルポット苗移植機(ヤンマー製)
③ 自走式幼苗移植機(みのる式)

この3つの機械の特性について簡単に説明したいと思います。

まず、①のひっぱりくんですが、これはコストパフォーマンスが良いことが最大のメリットだと思います。価格が10万円以下と安く、人力ながら定植スピードもそこそこ速く効率が良いです。

デメリットとしては、ペーパーセルポット苗という特殊な苗を使用することからネギの根元が曲がりやすいということがあるようです。

意外にも大規模なネギ経営体でも使用されていることも多く、導入の手軽さからネギを始める時には一番最初に導入される機械だと思います。

②のヤンマーのセルポット苗移植機ですが、これはセルポットのネギ苗を機械が自走して植えていく機械です。

メリットとしては自走式なので肉体的な負担が少ないこと、定植後の生育が他の定植方法と比べて安定している等といったことが挙げられます。

デメリットとしては、定植がスピードが遅いため効率が劣るようです。

最後に③のみのる式の幼苗移植機ですが、こちらのメリットはスピードが速く、自走式のため肉体的な負担が少ないことが挙げられます。

ただし、デメリットとして幼苗を移植するため定植後の生育が他の定植方法と比べて不安定なところ、苗に凝固剤を使用するため農薬の使用に制約があることが挙げられます。

また、これはオマケですがロケット植えというネギの大苗を人力で定植する方法もあります。これは手間がかかりますが大苗移植なので定植後の安定度が高く揃いもよくなるため、品質が良くなる方法のようです。

このように定植の機械についてはメリット・デメリットがありますので、気候や土壌などの条件を考慮して選ぶ必要があります。

ちなみに私はひっぱりくん一本でやることを考えています。やはりコスパは大事ですからね。これから技術革新により更に良い機械が開発されると思うので、自動化については次世代の機械に期待したいと思います。