千葉県での新規就農の方法①『農業技術の習得』

新規就農に興味があっても、何をすればよいかわからない人も多いのではないでしょうか?でも心配はいりません。

千葉県には、新規就農者の背中を後押しする就農支援制度が充実しています。就農支援制度を利用すれば新規就農への道が確実に開けてきます。

これから千葉県の就農支援制度を利用した、新規就農の方法について紹介していきます。

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新規就農するための3条件について

新規就農するための前提条件ですが、以下の3条件を達成することが必要です。

1.農業技術の習得
2.農地の確保
3.資金の確保

今回の記事では、『農業技術の習得』についてお話していきます。

『農業技術の習得』はなぜ必要?

農業は常に病虫害や自然災害などのリスクを抱えており、最悪の場合、農作物が全滅することもあります。農業を始めた直後にこのようなことが起これば、即廃業も考えられます。

このようなことにならないよう、十分な農業技術・知識を習得し、リスクを低減しなければなりません。また、農業は自然相手の仕事ですから、マニュアル通りにいかないことが多く、状況に応じた柔軟な対応力も求められます。

このため、よほど農業技術に自信がある人でなければ、就農前に1年~2年ほど農業技術を身に付けるための研修を受けることを強くおすすめします。

どのような研修制度があるの?

千葉県内で実施されている主な研修制度として以下の4つの制度が挙げられます。

(1) 千葉県立農業大学校での研修(千葉県が実施)
(2) プロ農家育成インターンシップ事業(千葉県が実施)
(3) 新農業人・実践農場研修モデル事業(一部の市町村が実施)
(4) 柏市独自の就農支援制度『農家里親制度』(柏市が実施)
(5) 千葉市独自の就農支援制度『新規就農希望者研修』(千葉市が実施)

(1) 千葉県立農業大学校での研修

農業大学校は、次世代の農業の担い手を育成するための学校で、農業に関する実践的な技術・知識を研修で身に付けることができます。

この研修制度が就農の際に一番よく利用されているスタンダートな研修制度です。

研修費用も安価なので、金銭面の負担も少なくて済みます。

千葉県立農業大学校では、以下の3コースの研修を実施しています。

① 就農準備講座 ・・・ 就農に興味がある人向けの初歩的研修
② 農業者養成研修 ・・・ 新規就農者向けの農業技術習得ための基礎研修
③ 就農実践研修 ・・・ 農業経営の実践研修

千葉県立農業大学校の研修制度については、別の記事『千葉県立農業大学校の新規就農者向け研修について』で紹介していますので、そちらをご覧ください。

なお、他の研修制度を利用する場合でも、農業大学校で一定期間研修することが要件になっているものがほとんどなので、まずは、農業大学校で研修をすることがスタートの基本となります。

(2) プロ農家育成インターンシップ事業

これは千葉県の制度で、就農希望地のプロ農家の元で研修を行うものです。

プロ農家の元で農業技術や経営手法を学ぶとともに、その地域に溶け込めるようにサポートをしてもらえます。また、農家の信頼を得れば、余っている農地の斡旋もしてもらえますので、新規就農者の問題となる農地の確保も円滑に進むでしょう。

研修先の市町村で就農することが条件となっていますので、就農希望地がすでに決まっている人は、この制度を利用するとよいと思います。

なお、この制度を利用するためには、農業大学校で一定期間研修することが要件となっています。詳しい制度の概要・要件については、千葉県のホームページで確認してください。

千葉県 プロ農家育成インターンシップ事業について(外部サイト)

(3) 新農業人・実践農場研修モデル事業

これは千葉県内の市町村やJAが行っている制度です。

市町村で新規就農者を受け入れて、余っている農地やハウス・機械を貸与し、それを使用して地域のプロ農家が指導を行う研修制度です。

技術・経営の指導や販売先紹介など全面的なサポートを受けることができ、研修終了後は、研修農地でそのまま就農することができます。

ただし、『新農業人・実践農場研修モデル事業』を実施しているのは、一部の市町村のみとなります。

すべての県内の市町村が実施している制度ではありませんので、個別の市町村の実施の有無は、千葉県・農林水産部担い手支援課就農支援班(TEL:043-223-2904)に問い合わせて確認してください。

研修から就農まで一貫したサポートを受けられるため、就農希望地の市町村が『新農業人・実践農場研修モデル事業』を実施している場合は、この制度の利用を検討するとよいでしょう。

なお、この制度を利用するためには、農業大学校で一定期間研修することが要件となっています。

(4) 柏市独自の就農支援制度『農家里親制度』

柏市には農家里親制度という市独自の就農支援制度があります。

これは柏市で新規就農を希望する人に市内の優良農家を紹介して、農業のイロハを学んでもらうというものです。紹介先の農家と師弟関係となり、栽培技術や販売方法について直接指導を受けることができます。

なお、この制度の利用には、農業大学校で一定期間研修することが要件となっています。

制度の詳しい内容は、別の記事『柏市独自の就農支援制度『農家里親制度』について』で紹介していますので、こちらを参照してください。

(5) 千葉市独自の就農支援制度『新規就農希望者研修』

千葉市には新規就農希望者研修という市独自の就農支援制度があります。

この制度は農業大学校と同じく基礎研修から就農まで一貫したサポート受けることができます。

研修内容は以下のとおりです。

① 農業の知識、技術や農業機械技術の基礎研修(1年目)
② 農家に行き、農家の方の指導による経営や生産技術の研修(2年目)
③ 就農を予定する土地で、自らが経営を開始し、生産技術等を習得する研修(3年目)

この制度は農業大学校で研修を受けなくても受講することが可能です。千葉市での就農を決めている人はこちらの制度を利用するとよいでしょう。

詳しい制度の概要・要件については、千葉県のホームページに掲載されていますので、そちらで確認してください。

千葉市 ~農業へのチャレンジ~新規就農希望者研修(外部サイト)

どの研修制度を利用すればいいの?

新規就農に興味がある人

まずは、千葉県立農業大学校の就農準備講座を受講することをおすすめします。

農業のお試し講座なので、初心者向けの研修を通じて本当に農業がやりたいのか・できるのかを確認することができます。また、土曜日開催なのでサラリーマンの方でも働きながら受講できます。

就農準備講座を受講して本格的に新規就農を決意した人は、次のステップとして農業者養成研修を受講するとよいでしょう。

新規就農を決意した人

千葉県立農業大学校の農業者養成研修を受講して、本格的な農業の知識・技術を身に付けることをおすすめします。

研修期間は3ヶ月コース、6ヶ月コース、12ヶ月コースの中から選択できますが、おすすめの研修期間は6ヶ月または12ヶ月の研修です。

県や市町村は、十分な基礎を身に付けたいのであれば、6ヶ月コース以上の研修を推奨しています。他の研修制度を利用する場合も農業大学校で6ヶ月コース以上の研修をすることが要件となっているものがほとんどですので、6ヶ月コースまたは12ヶ月コースの研修を受講するとよいでしょう。

また、千葉市で就農を決めている人は、千葉市独自の就農支援制度『新規就農希望者研修』に受講するのもよいでしょう。

農業者養成研修の修了後

6ヶ月コース、12ヶ月コースの修了後は、農業大学校以外の研修制度を利用することが可能となります。

例えば、12ヶ月コース修了後に農地を借りて即就農することも可能ですし、6ヶ月コースの修了後に千葉市や柏市の独自制度などを利用してさらに1年間研修してから就農することも可能です。

他の研修制度と組み合わせることにより、就農地や営農形態もさまざまなものになりますので、自分が理想とする農業に近づける研修プランを考えましょう。

研修中の補助金制度『農業次世代人材投資事業(準備型)』について

特定の研修制度を利用して1年間、農業研修を行うと『農業次世代人材投資事業(準備型)』という国の補助金の対象となります。

この補助金制度は、新規就農者の就農前研修中の生活資金援助を行う制度です。要件を満たした研修を1年以上行うと年間150万円を受給することができます。(最長2年間)

複数の異なる研修制度と組み合わせて1年以上研修した場合でも、補助金の受給対象となりますので、補助金の受給を意識した研修プランを立てるとよいでしょう。

※ 2019年度より農業大学校などの公的機関ではない法人や個人農家での研修は原則受給対象から外れることになりました。これにより農業次世代人材投資事業(準備型)を受給するには原則、農業大学校での研修が必要となります。

農業次世代人材投資事業(準備型)については、別の記事『新規就農者への補助金制度『農業次世代人材投資事業』について』で詳しく紹介していますので、そちらをご覧ください。

次回の記事・・・千葉県での新規就農の方法②『農地の確保』

コメント

  1. 竹内幹貴 より:

    はじめまして。
    東京在住25歳の竹内と申します。

    年内には脱サラして農業の世界で生きていきたいと考えていまして、情報収集をしているところです。

    そこでこのブログにたどり着き
    理想とする新規就農をされていたので
    色々とお話をお伺いしたくご連絡させていただきました。

    また、私も千葉県松戸市育ちで千葉か埼玉の大学校に行くことを考えています。

    もし、可能であれば
    メールなどでご質問などさせていただければ幸いです。

    よろしくお願い致します。

    • 後藤 貴一 より:

      はじめまして!管理人の後藤と申します。
      この度はコメントありがとうございます。

      こちらのコメント欄ではやり取りし辛いと思いますので、
      別途メールにてご連絡させていただきます。

      よろしくお願いいたします。