【千葉県立農業大学校】横芝光町のネギ農家で収穫・出荷作業を行いました

今日は横芝光町のネギ農家では初めての収穫・出荷調製作業をやらせていただきました。ここのネギは光ネギというブランドネギで品質が良いと聞いていたのですが想像の出来以上でした。

これが収穫したネギです。

葉の色が濃く、白身も長くて太いです。これは見たことが無いくらいの良品です。特筆すべきは根っこがしっかりしていることです。


(ネギの根っこ)

これだけ立派な根っこがあれば、ネギも良く育つハズです。以前、柏のネギ農家から根っこの張りはとても重要だと聞きましたが、これを見ると納得です。

ただ、農家曰くこれは育ち過ぎてしまったそうです。ネギの規格では2Lにあたる太さなのですが、価格は一つ下の規格のLの方が高いので、育ち過ぎも良くないようです。集荷場に掲示されている価格表もLサイズの方が高くなっていました。


(集荷場の価格表)

このネギを収穫した畑は連作をしていない新地だったそうで、予想以上に生育が良かったようです。別の畑のネギはLサイズくらいの丁度良い太さになっていました。

それと収穫作業を手伝わせてもらったのですが、他のネギ農家と異なる手順がありました。それは収穫前のネギの葉を切っていることです。チェーンソーのような葉切り機で埋まっているネギの葉を切ってから収穫していきます。


(葉を切ったネギ)

収穫作業は他の大規模ネギ農家と同様に自走式収穫機(ソフィー)を使用していました。


(自走式収穫機(ソフィー))

同じソフィーでも農家によって使い方が全く異なりますね。この農家では3人1組の作業で、運転しながらネギを採る人、ネギを包むゴモをセットする人、ネギのゴモを結んで下に置く人という流れでした。柏のネギ農家とも関田農園とも違います。

この農家は高齢の作業者が多いため、楽でゆっくりな作業をする配置になっていましたね。逆に関田農園は若い作業者が多かったので辛くて早い作業をする配置でした。作業者や環境によってスタイルが異なるのは面白いですね。

ソフィーの作業体制や方法については、そのうち別記事でまとめたいと思います(読者からの要望もありましたので)。やり方や人数によって作業効率や身体、機械への負担も変わってきますので、個々の農家に合った使い方をするのが正しい方法だと思います。

収穫後はネギの皮剥きと箱詰め作業をさせていただきました。

ここのネギは龍翔という品種を使用しています。この龍翔は柔らかくて食味が良い品種のネギですが、反面葉や身が折れやすく丁寧に扱わなければならない品種です。光ネギの出荷規格が厳しいこともあり、かなり気を遣った調製作業が求められました。

皮を剥く時は葉を折らないように気をつけなければなりません。葉が1本でも折れたらB品となってしまうため、今までに無い慎重な皮剥き作業が要求されました。箱詰めに関しても同様です。

高値で売れるのがブランド品の良いところですが、その分作業に手間と時間がかかるのだと実感しました。ブランド産地は羨ましがられるかもしれませんが、大変な面もありますね。

最後に12月半ばに定植した夏ネギを見せていただきました。

千葉県の山武地域では、プレミアム夏ネギというブランドでネギが高値で取引される5月ネギを栽培しています。この時期に出荷されるネギは通常の露地栽培だとネギが抽苔(花芽分化)してしまい商品価値が無くなってしまいますが、ネギにトンネルをかけて栽培をすることにより抽苔を防ぐことができます。これにより高値でネギが売れるということですね。


(トンネルかけされたネギ)

通常のネギと同様に溝を切って定植してすぐにビニールをかけるそうです。2月くらいになるとビニールを外して土寄せ等の管理作業を行うそうですが、それまでは基本的にノータッチだそうです。肥料も一発施肥の遅効性の肥料を使用するため追肥もしないそうです。

この農家では1条植えの小さなトンネルですが、他の農家では2条、3条の大きなトンネルを使用することにより温度を上げて、更に高値で売れる早い時期に出荷を行うそうです。

私も来年就農したらこのトンネル夏ネギにチャレンジしてみたいと思っています。本当は一緒に定植作業をやらせていただきたかったのですが、先週体調が悪かったため作業ができませんでした。無念です。

今後夏ネギの技術を勉強することが課題となりますので、残りの研修で夏ネギの技術を身に付けられるようにしていきたいと思います。