農林水産省主催の農福連携支援研修に参加しました

農林水産省主催の農福連携支援研修に参加してきました。

この研修は農福連携を行っているまたは今後参入を検討をしている農業法人や福祉事業所を対象としたもので、11月12日~14日の3日間、茨城県水戸市にある農林水産研修所つくば館にて行われました。


(農林水産研修所つくば館)

私も家族に障がい者がおり、農業と障がい者のマッチングに興味があったため、今回受講をすることにしました。

研修の内容ですが、まず、政府の農福連携への施策や支援制度の説明から始まり、実際に農福連携で成果を挙げている農業法人やJA、福祉事業所の方の講演がありました。

実際の事例に関するお話しはさすが成功しているだけあって面白い取り組みをされているなぁと話を聞いていて退屈しませんでした。どの事例においても共通していることは、作業を分解し単純化しており、障がい者にとってわかりやすい作業にするということが重要だと理解しました。

最終日の意見交換では実際に農福連携に取り組んでいる企業の問題点について議論を行いました。そこではかなり障がい者雇用に対しての厳しい意見も多数出ており、障がい者雇用の難しさを感じました。

健常者がバリバリ働いても大儲けすることは難しいのが農業ですので、ハンディを背負った人がそれをやったら儲かるのかどうかというところは大変難しい話になります。

実際のところ、最低賃金レベルで雇うとしても余程よく働いてくれる障がい者でない限り採算を採るのは難しいと思います。障がい者を受け入れる体制の構築やサポートの手間を考えたら、同じ最低賃金でも外国人技能実習生を連れてきた方が良いと思います。

このため、障がい者を雇うとすれば最低賃金に縛られることのない雇用形態(就労継続支援B型等)でないと営利目的の法人には難しいのかなぁと感じました。大企業の特例子会社等は一般の農業法人と比較すると営利の面は薄いので最低賃金の雇用は可能だと思いますが・・・。

ただ、農業の人手不足は深刻ですので、なんとか制度を上手く利用して農業と障がい者のマッチングを進めていく必要があるのかと感じました。

これまで経営者の目線で論じてきましたが、一方で農業と障がい者の方の親和性は非常に高いと思います。作業を単純化しやすいですし、畑で汗を流すことは何よりも気持ちの良いことですので、障がい者の方の心身のケアにもなると思います。

今後、近隣の就労継続支援B型施設と協力して試験的に農福連携に取り組んでいきたいと思っています。ですが、まだまだ農業からの目線が強く、障がい者からの目線の理解が浅いため、これから勉強していきたいと考えています。

3日間の研修でしたが、農福連携について深く考えさせられる良いきっかけになりました。

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